無垢の予兆

言葉の出枯らし

チェリーコーラとマシュマロアイス

約1週間のポートランドでのホームステイ。 私は早くも一日目で出鼻を挫かれることとなった(前回の記事参照)。 朝ご飯はホストファザーが作ってくれた。 一口食べて思わず顔をしかめた。何だこれは。鳥の餌か? 恐らくオートミールというやつなのだろう。 …

異国の星

私の生まれた町はとても小さな町だ。 両隣を大きな市に挟まれ、いつ吸収されてもおかしくない。 工業の町として知られており、他にはネズミの形をした大根や、薔薇などがちょっと有名で、そのおかげかは分からないがなんとか合併することなく今日まできてい…

おねえちゃん

「ともちゃんには、お姉ちゃんがいるはずだったんだよ」 その言葉に、私は後頭部をぶん殴られた気がした。 ともちゃんとは私のこと。私は長女であり、下には弟がひとりいる。 「どういうこと?」 私は目の前の従姉に尋ねた。 季節は夏真っ盛りで、私たちは…

ゴッサムシティの市民達

映画「ジョーカー」を観てきた。 主演のホアキン・フェニックスがリヴァー・フェニックスの弟だという事と、ジャックニコルソン版のバットマンを観たという前情報しか持たずに鑑賞した。 舞台はバットマンというヒーローが誕生する前のゴッサムシティ。貧富…

繋ぐ

最近テレビで世界陸上が放送されている。 陸上と一括りにいってもその種目は様々である。 短距離走・長距離走・幅跳び・高跳び・ハンマー投げetc… 私は過去に陸上競技をテレビで見ていて号泣したことがある。 しかもかなりマイナーな競技の、「競歩」の中継…

赤い眼の男

皺ひとつないスーツを着込んだ新入社員が、うちの会社にもやってきた。職場内を見学しているのを見かけたり、「おつかれ」ではなく「じゃあね~」と別れる彼らを眩しく思ってみたりする。 私の初めての職場の上司は赤い眼をしていた。 マジで赤かった。寝不…

春の街

春だ。 桜が満開だ。 私の職場まで駅から歩いて15分ほどかかるのだが、その途中に桜並木がある。 桜の季節になるとたくさんの人で賑わっている。 夕方になるとスーツ姿の新入社員たちがぞろぞろ歩いていたり、どこかの会社の団体が宴会をひらいていたり、…

恵まれた私の誠実

わたしは日本人だ。 日本に生まれてよかった、幸せだと思うこともあるし、 日本人の嫌なところを見たり聞いたりすると、辟易したりする。 SNSのネットニュースで「日本に旅行中の外国人が財布を落としたが、交番にちゃんと届けられていた。ほかの国ではそう…

徒然霜月

2018年も終わりにさしかかっている。 今年も色々あったような、なんにも無かったような。 2018年は、年明けの5分後にエグザイルのライジングサンを踊っていて、ポットに足をぶつけてお湯をこぼすという幸先の悪いスタートだった。 しかしそれが暗示するよ…

10月の死神

十月は異称で神無月と呼ばれる。 全国の神様達が出雲大社に集まるので、神様がいない月。 私は十月が何故か一番メンタルがやられる。 暑かった夏から冬に向けてだんだん肌寒くなることが影響を及ぼしているのかもしれない。 季節の変わり目に感情のコントロ…

弟を階段から突き落とした話

何に対して爆発したのか 何歳の頃かはもう覚えていない。 保育園か小学低学年くらいの頃の出来事だと思う。 覚えているのは、スローモーションで階段を転がり落ちていく弟の姿。 押したのは姉である私だということ。 あの瞬間、私には悪魔が乗り移っていた…

自堕落な夏

日本列島を熱するだけ熱した後、突然飽きてしまったかのように夏はどこかに去ってしまった。 まるでスイッチを切ったみたいに、目が覚めたら秋になっていた。 夜空は高く澄みきっている。 今年の夏はいかんせん暑すぎた。 眠っている最中も軽い脱水症状でカ…

祈りと救済

あれはたしか祖父の法事でのことだろうか。 私はまだ小学生だった。 その時のお坊さんの説法をいまだにしっかり覚えている。二つの話をしてくださった。 ある日お坊さんは読経をしに、とあるお宅を訪ねた。赤ちゃんのいる家で、母親が忙しなくご飯を作ってい…

彼女は異文化

じめじめとした梅雨が続いていた。 雨は嫌いだが、お気に入りの傘がさせるのはちょっと嬉しい。 透明のビニールの生地に、青い水玉がところせましと並んでいる。 カルピスみたいで可愛い。 カルピスの傘をさしながら、夜の雨の中を歩いていると、ウォークマ…

無垢の予兆 はじめに

「ブログを書いたら読んでくれるか」と友人に尋ねたら、「読む」と返事が来た。 じゃあ書いてみようかな、と思ってたちあげてみたはいいものの、パソコンで文章を打つのは久々なので勝手が悪い。 スマホで長文を打つのもしゃらくさい。 仕方がないのでゆっく…